言葉ギフトと聞いた時、
何を思いますか?
私がこの仕事を未来にのこるブランドにしたいと思っている一番の思いに、
『命』があります。
言葉ギフト。
10年も、この名前と一緒に生きてきました。
10年も「言葉」に関わると、沢山のストーリーに向き合えます。
ほんとうに大切なものが何か?
それを教えてもくれました。
10年と言ってるけど、
ほんとはもっと前から。
19歳の時、
1週間で2人の命を失いました。
そこから「人は死ぬこと」を。
そして死ぬことは簡単だということを。
2人の死をもって体験しました。
自殺でした。
その日から、
「どうやったら人が言葉で”生きる”のか?」
を探す旅を始めました。
3年くらい探している旅のなかで見つけた「言葉」の仕事。
そこからはひたすら言葉を書いて
言葉とは何か?
を追究していました。
亡くなった、彼女に言葉を書いてほしい
書き始めて2日目の夜、
2人の女性から依頼がきました。
「私たちには、じつは3姉妹のように仲良かった女性がいます。
これが彼女の写真です。
彼女が伝えてること、私たちが伝えたいことを『言葉』にしてもらえませんか?」
まだ書き始めて2日目。
そんな日に、こうした依頼がきた事に戸惑いましたが、
真心こめて制作した言葉に涙して喜んでくださいました。
余命わずかな息子がいます。彼といつまでも家族一つだって事をメッセージにしてほしい
書き始めて5年くらい経ってからでしょうか。
まだ下積み中で、イベント出展をしていた時期。
女性から、家族1枚の作品を作ってほしいと依頼がきました。
余命わずかな息子さんと家族に大切な1枚を作ってほしいと依頼がきた時、
戸惑いながらも、この5年で同じような依頼がなかったことはない。
だから、制作しようとしたとき、涙が込み上げて、溢れて止まりませんでした。
この頃の私は、依頼主の「思い」を書こうとしていたから、
ご家族に同調して、
家族がいつまでも一緒だからね。
という言葉を書くとき、震えが止まりませんでした。
その時から「家族の1枚」を創るようになりました。
葬儀中にかかってきた、「母に贈ってよかった」という電話
書き続けて、7年くらい経ち、
あるお客様から電話がありました。
「今、母の葬儀中です。
形見として言葉ギフトの作品を飾っていました。
そしたらご列席の皆さんが作品をみては声をかけてくださいました。
皆さんからの声を聞いているうちに、
杉田さんに御礼を伝えたくなり、お電話しました。
『母に贈って、本当によかった』
ありがとうございます。」
このお電話が私の決定打になったのは間違いありません。
19歳から始まり、
言葉を通して沢山のストーリーと向き合いながら、
自分はこの言葉を聞きたかったんだと気付きました。
そしたら心が浄化されたように、上を向いてないと涙が溢れちゃう感じになって、
思わず外へ出て、
空だけを観てました。
『命』
それは
生まれるということ。
生きるということ。
死ぬということ。
愛する命もあれば、
奪い合う命もある。
みずから落とす命もあれば、
生きたくても生きられない命もある。
それでも命は尊いと呼ばれている。
わたしたちは命と本当に向き合っているのだろうか。
たくさんの出会いのおかげで、
言葉を贈るという事は、
どんな時代になっても、すごく大切なことだ。
そうゆう事だと教えてもらった。
海外へ行っても、
「言葉を贈る」という姿勢に涙する人がいる。
言葉はギフトだと。
この10年で教えてもらえた。
これから次のステージへ向かっていきたい。
言葉を贈るブランドを設計していこう。
もっと多くの人に、
「あの時、贈ってよかった」と言ってもらいたい。
そして、
「生きててよかった」と前を向いてもらいたい。
純粋な気持ちだけで仕事をしてみようと思う。
それがアートにできることだと信じているし、
文化であるべきだと思ってる。
次へ向かっていこう。