家族への感謝。
ご両親への感謝。
子供への感謝。
祖父母への感謝。
これまで様々な感謝を届けてきました。
数多くの感謝を届けるお手伝いをする中で、制作側も心を洗われてきた気がします。
書きながら、涙が溢れてきたものや、
微笑ましく、言葉を書いたこと。
どうしても、心がギュッとなって書けず、一時間近く書けなかった事も。
その中でも、
息子さんが余命数週間で、家族みんなの名前で、家族がいつも一緒だよと伝える作品を創ってほしいというご依頼をいただいた事があります。
私たちの制作スタイルは、「送り手の気持ちになって書くこと」—
なんですが、
もうですね、、このご依頼をいただいて制作するまで、
涙が溢れて止まらない。
ご家族の気持ちに触れながら、一枚を仕上げていきました。
書きながら、和紙に涙がこぼれて、にじんで、何度も書き直し。
一番、キレイな形でお渡ししたい。
家族が笑顔で笑っているような書体でお渡ししたい。
そう思い、何度も何度も書いて。ようやく出来た作品をお渡しした時。
お客様も、その言葉に涙して、言葉にならない時間が数分ほど過ぎて、
「ありがとうございます」
満面の笑みと、うっすら浮かぶ涙。
心から大事に持って帰っていかれました。
私たちは、そこから先の流れは分かりません。
ただ、その言葉が、ご家族をいつまでも幸せに繫ぎますよう。
そんな思いで見送りました。
こうした感謝だけでなく、さまざまな感謝と向き合ってきました。
この記録が、
今ともに居る家族に、たった一言、心からの『ありがとう』を伝える事を考える機会になれば幸いです。
当たり前は、存在しないのだから。